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2026/10/17 21:34

こんばんはClique Tokyoです。
今日も一日、お疲れ様です。
ぜひごゆっくりお過ごしください。







本日もたくさんのお客様にご来店いただいてありがとうございました。
明日はお客様の結婚式がありまして、スタッフ一同そちらに参列させていただきますので、店舗の営業をお休みさせていただきます。
ご来店を予定されていたお客様につきましてはご不便をおかけし大変恐縮ではございますが、何卒ご理解の程よろしくお願い致します。



本日は先日アップしたAleksandr Manamisのブランド紹介の記事が好評だったので、今回は別のブランドについてご紹介させていただきやす。
それが、D.HYGEN。
当店のブログやInstagramをご覧いただいている方には、もうすっかりお馴染みのブランドかもしれませんね。
そして長岡が普段からご案内させていただいているお客様につきましては、特にこのブランドを推させていただいてるところだと思います。
私自身、このブランドについては展示会のレポートや新作の紹介などで幾度となくお話ししてきましたしね。
というか、もはや僕が好きなブランドとして認識してくださっているお客様も多いくらい。
ありがたいことでございます。


しかし、これだけ頻繁に紹介しているブランドでありながら、改めてD.HYGENとはどういうブランドなのか、というところをじっくり掘り下げる機会は意外と少なかったかもしれません。
ので、改めて、今季の作品の良さも伝えながらお話しさせていただきやす。


まず、D.HYGENというブランドを語る上で欠かせないのが、

「STRAINISM(ストレイニズム)」

日本語にすると「緊張主義」という意味になります。
これはブランドが掲げているコンセプトであり、D.HYGENのものづくり全体に共通する考え方でもあります。
着る人に緊張感を与え、そこから生まれる高揚感を追求する。
簡単に言えばそういうことなのですが、正直これだけ聞いても何のこっちゃという方もいらっしゃるかと思います。


そもそも、洋服を着ることと緊張感ってどういう関係があるのかってお話し。
一般的に洋服の着心地について考えると、軽くて柔らかいだったり、動きやすいなどのストレスが少ないとかそういった要素が良いものとして捉えられることが多いですよね。
もちろん、それはそれで大切なことです。
ただ、D.HYGENの場合は違う視点から洋服を捉えているように思います。
例えば、袖を通した時に感じる独特なフィット感や身体のラインに沿って立体的に構成されたパターンなわけです。
決して着心地が悪いという話ではありません。
むしろ、人間の身体を研究した上で設計されているからこそ成立するバランスなんですね。
単純にリラックスできる洋服とは違う、服を着ることで気持ちが高ぶる感覚が大事。
この辺りに、D.HYGENの考える緊張主義が表れているのではないかと思っています。


では、その緊張感は実際にどのように作られているのか。
個人的に、まず注目していただきたいのがパターンです。
D.HYGENの洋服は、人体の構造を意識した独特なパターンワークが特徴的です。
特にジャケットやコートを見ていると分かりやすいのですが、一般的な洋服とは異なる位置に切り替えが設けられていたり、複数のパーツを組み合わせることで複雑な立体構造が作られていたりします。
肩から腕にかけてのラインや、肘の曲がり方、背中の丸み。
そういった人間の身体が持つ形状を、平面的な生地からどのように立ち上げていくのかというこの考え方が非常に面白い。


こういう服は実際に袖を通してみると、ハンガーに掛かっている時とは少し違った印象になるものが多いんですよね。
単体で見るとかなり複雑な構造をしているのに、着用するとマジでカッコ良い。
むしろ、その複雑さが自然なシルエットを生み出しているようにも感じます。
もちろん、すべてのアイテムが身体に沿ったタイトなシルエットというわけではなくて、特に25AWからは比較的ゆとりを持たせたアイテムも多く見られるようになりました。
故に実際に着てみないと伝わりづらい部分ですね。

そして、パターンと同じくらい重要なのが素材。
D.HYGENといえば、やはりレザーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ホースレザーやを使用したアイテムは、ブランドを象徴するカテゴリーの一つです。


ただ、ここで注目していただきたいのは、単純に良い革を使用しているということだけではなく、革そのものの表情をどのように作り、それを洋服としてどう成立させるのか。
この部分にD.HYGENらしさがあると思っています。
例えば、レザーの厚みや柔らかさ、表面の皺感や光沢。
同じ黒いレザーでも、鞣し方や加工によって全く違った印象になります。
滑らかで均一な表情を持つものもあれば、荒々しい皺や不均一な質感を残したものもある。

そして、それぞれの素材に合わせてパターンやシルエットが考えられているわけです。
僕自身、展示会でD.HYGENのレザーを見るたびに感じるのですが、革そのものの迫力と、洋服としての完成度のバランスが非常に面白いブランドなんですよね。
レザーという素材の存在感に頼りきるのではなく、そこに構造的なデザインを加えることで、一着の洋服として成立させている。
この辺りはブランドが長く積み重ねてきた技術や経験が感じられる部分だと思います。
そして、素材の話であればテキスタイルについても触れないわけにはいきません。
D.HYGENの魅力は、決してレザーだけではありませんからね。


個人的には、布帛の開発や加工技術も非常に面白いと思っています。
例えば、製品染めによって生まれる色の濃淡や生地の表面に施されたコーティングなど、あえて不均一な表情を残した染色や、経年変化を思わせるような加工。
コレクションによってその手法は様々ですが、共通しているのは、新品の洋服でありながら、どこか使い込まれたような空気を持っているということ。
ただし、ここで面白いのが、D.HYGENの加工は必ずしもヴィンテージ感を再現するためのものではないという点です。


古い洋服のように見せることだけが目的ではなく、素材が本来持っている性質を変化させたり、異なる質感を組み合わせたりすることで、新しい表情を生み出しているように感じます。
そのため、退廃的な雰囲気がありながらも、どこか工業的で現代的な印象が残るんですよね。
その工業的な印象を与えるために、インダストリアルなパーツ使いがあります。
アルチザンという言葉で一括りにされることも多いジャンルですが、D.HYGENの場合は手仕事の温かさというより、技術を徹底的に突き詰めた先に生まれる独特な無骨さがあるように思います。
もちろん、これはあくまで僕個人の捉え方ですが。


黒を基調とした重厚な色使いや、鋭さを感じるシルエット。
そこに少し荒れたような素材の表情が加わることで、独特の緊張感が生まれるわけですね。
個人的には、D.HYGENの服が単純なダークファッションに収まらない理由の一つがここにあると思っています。
さて、ここまでブランドのコンセプトやものづくりについてお話ししてきましたが、最後にもう一つ。
これは僕が店頭でご案内する時にもよく感じることなのですが、

D.HYGENって、意外と普通に着られるんですよ。



いや、普通という言い方は少し違うかもしれませんが。
写真で見るとかなり重厚な雰囲気ですし、レザーや加工の強いアイテムが多いので、初めて見る方には少しハードルが高く感じられることもあるかと思います。
特に全身でスタイリングされたルックを見ると、かなり世界観が強いですからね。
ただ、実際に一着ずつ見ていくと、意外と普段の洋服に取り入れやすいものも多いんです。

例えば、少し立体的なパターンのパンツもそうですし、独特な加工を施したカットソーやシルエットに特徴を持たせたシャツ。
これらを普段のスタイリングに一つ加えるだけでも、十分にD.HYGENの魅力を楽しむことができます。
無理に全身を同じブランドで揃える必要はありませんし、もちろん全身で統一した時の完成度も素晴らしいのですが、個人的には少し違った雰囲気のブランドと組み合わせるのも面白いと思っています。


例えば、比較的クラシックなトラウザーズにD.HYGENのレザージャケットを合わせてみたり。
逆に、D.HYGENの構築的なパンツに、シンプルなニットを合わせてみたりなど。
そういった組み合わせでも、十分にブランドらしい存在感は生まれます。
最近のコレクションでは、以前と比べて少し柔らかい印象のシルエットや、カジュアルなアイテムも増えてきました。
ただ、それによってブランドの個性が薄れたわけではなく、むしろD.HYGENの洋服を楽しむ選択肢が増えたように感じています。
昔からブランドを好きな方にも、これから初めて触れる方にも、それぞれの楽しみ方があるということですね。


そして最後に。
僕自身、D.HYGENは展示会に伺うたびに新しい発見があるブランドだと思っています。
新しい素材や加工を見て驚くこともあれば、以前から展開されているアイテムの完成度を改めて感じることもあります。
何より、洋服そのものに対する考え方が非常に明確なんですよね。
一見すると独特なデザインに見える部分にも、それぞれ理由があるように感じられる。
もちろん、すべてを理解してから着る必要なんてありませんし、格好良いと思ったから着るで良いです。
単純にその理由だけでも十分だと思っていますし、僕自身も最初に惹かれるのはそういう部分だったりします。
ただ、そこから少し踏み込んで、ブランドの考え方やものづくりを知っていくと、今まで何気なく見ていた一着がまた違って見えてくるので、こういう記事をきっかけに知っていただけると幸いです。
D.HYGENについては、僕自身まだまだ知りたいことが多いですし、今後も新しいコレクションを通して色々な発見があると思います。
その度に、店頭やブログを通して皆様にもお伝えしていければと思っております。


いかがでしたでしょうか。
今回は新作の紹介ではなく、D.HYGENというブランドそのものについて改めてお話しさせていただきました。
すでにブランドのアイテムをお持ちの方にも、名前は知っているけれどまだ着たことがないという方にも、何か一つでも新しい発見があれば嬉しく思います。
マジで実際に着てみていただきたい。
写真だけでは伝わらない立体感や素材の表情を含めて、D.HYGENというブランドを楽しんでいただければと思います。
ぜひ店頭でも、改めてゆっくりご覧くださいませ。


それでは今日はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました。


長岡


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