2025/08/04 20:03
こんばんは、Clique Tokyoです。
今日も一日、お疲れ様です。
ぜひごゆっくりお過ごしください。
こうも新作がバンバン届くようになってくると仕事が捗りますね。新作の紹介をしている時の方がやはり楽しい。旧作でももちろん魅力的なものは多いのですが、やはり皆様がすでに見慣れていらっしゃるかどうかであったり、鮮度を大事にされている方が当店のお客様にはとても多い印象なので、届いてからすぐにご案内したくなっちゃいますね。ちなみに今回ご紹介するNomàt から、明日か明後日にまた新作が届きますので、もしかするとブログがNomàt 連続になっていくかもしれませんので予めご了承ください。
さて、今回ご紹介するのはシャツなのですが、私も初めてきいた染色方法だったので、シャツを紹介するようで、施された製品加工について詳しくお伝えしていこうと言うわけなんですね。たまには商品を通して、ポップでチャーミングでキュートなアルチザンショップとしてこう言うアプローチもしていかないとと言うわけです。

そもそも聞き慣れない名前かもしれませんが、松煙染め(しょうえんぞめ)とは、松の煤(すす)を染料として用いる染色方法のことを指します。松を燃やしてできる煤を膠(にかわ)で練り、豆汁(ごじる)で溶いて布や糸を染めます。墨の原料としても使われる松煙は、独特の墨色をもち、深みのある色合いを出すことが可能なんですね。

[Nomàt] (ノマット) N-B-10 COTTON Tied Shirt
N-B-10
COTTON Tied Shirt
size / 3
color / Pearl Grey (松煙染)
cotton 100%
着丈 : 77
肩幅 : 65.5
身幅 : 71.5
袖丈 : 51.5
COTTON Tied Shirt
size / 3
color / Pearl Grey (松煙染)
cotton 100%
着丈 : 77
肩幅 : 65.5
身幅 : 71.5
袖丈 : 51.5
しかし松煙というのは”染料”じゃなくて”顔料”なんです。この差がいまいち微妙という方もいらっしゃるのでは。どちらも「色をつけるための素材」ですが、性質や使われ方に大きな違いがあります。染料とは、素材に「染み込む」(繊維の内部まで色が浸透する)もので、繊維と化学的に結合することで着色します。なので水や溶剤に溶ける可能性がありますが、発色が鮮やかで、繊細なグラデーションが可能。一方顔料は、素材の表面に「のる」(繊維の中までは染み込まない)、バインダーと呼ばれる接着剤で定着させます。そのため水や溶剤に溶けません。
粒子が大きく、不透明でマットな発色が出るのが特徴の一つです。
今回はその顔料に値するので、つまりそのままだと布に染み込まないんですね。じゃあどうするのってなるんですが、ここで登場するのが豆汁(ごじる)というもの。これは、水に浸した大豆をすり潰して濾した液体でして。豆汁に松煙を混ぜてよくかき混ぜ、そこに布や糸を浸していきます。仕上げに蒸して定着させて、水洗いして完成です。

この染め方がまた、ちょっとクセがある。ムラが出やすく、同じように染めても全く同じにはならないので、一点一点にしか出せない表情を生み出してくれる。手作業だからこその味なわけなんですね。それに、この松煙から生まれる色というのは、いわゆる“真っ黒”ではなくて、どこかスモーキーで柔らかくて、奥行きのある墨色。静かに主張する、そんな色合いなんでございます。
古くは、布団や野良着など、ハードな使われ方をするアイテムに用いられていた松煙染めですが、いまでは、着物や帯、小物、ファッションアイテムとしても見直されています。耐久性があるうえに、控えめだけど深みがあるというのが、現代のライフスタイルにもちゃんと馴染んでくれるようです。

これでこの松煙染というものについてはざっくりお分かりいただけたとは思うのですが、これをこのブランドのアイコニックなシャツに施すことで、ブランドが大事にしているシュールレアリスムというものを表現しているところが素敵だと感じます。というのも、この色むら感であったり、本来なら退廃的なニュアンスになってもおかしくないところを、綺麗な仕立てのタイプライターコットンに使用することで、ダーティな雰囲気になるのではなくクリーンなテンションに落とし込んでいるところが素晴らしいクリエイションだなと。
ゆったりとしたサイズ感で着回ししやすく、それでいて今の時期は軽い羽織として使用したり袖をクシュっとまくってこなれ感のある着こなしをしたりと、主役になりながらも主張しすぎない謙虚な貧を感じる佇まいが、長く大切にしていきたくなるような印象を受けます。

いかがでしたでしょうか。アイテムの魅力もさることながら、ここまでこだわりを持ってものづくりに勤しんでいるブランドであることもお分かりいただけたのではないかなと思います。ぜひ店頭で実物をご覧いただければと思います。暑い日々が続きますが、体調に配慮しながらしっかりお洋服楽しんでまいりましょう。
それでは今日はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました。
長岡
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