2025/09/29 19:00
こんばんは二日酔いです。
今日も一日、お疲れ様です。
ぜひごゆっくりお過ごしください。
昨日の対談形式の会はいかがでしたでしょうか。西坂曰く、当店のスタッフ以外でキャラ立ちがしっかりした上で登場するケースはお店がスタートして以来初めてのケースだったみたいです。好評であればまた何かしらの機会にデザイナーの方などにインタビューしてみようとおもっておりますので、その際はまた読んでみてください。あと、まあこれは良いっちゃあ良いんですけど、店頭にいらっしゃる際はもしブログを読んでいると、何かしらの感想をいただけると大変励みになります。何を隠そう、これ全くリアクションが読めないんですよね。もちろん「ブログ読んでいます!!」って元気に報告くださるのはとてつもなく嬉しいことなんですが、どの回が良かったか、あの回はあんまりでしたなどの感想をいただけると、次からの反省点になる。わたくしの回についてはほとんど自分一人で考えてたりするので、自己完結することが多いんですよね。ましてや当店のスタッフは基本誰も私のブログを見ていないので、感想をいただけるシチュエーションが本当に無い。まあ、これは思いついた時で良いです。
今回はスタイリング回ではなく、アイテム単点紹介回です。最近焦点を当ててなかったブランドはなんだろうかと考えると、まずはこのブランド、KLASICA様なんですね。ファンの方には大変申し訳ない。せっかくですから、この機会にブランドそのものの説明も交えてご案内していこうかなと思っております。

KLASICA は、日本のデザイナー河村卓馬(Takuma Kawamura) 氏によって設立されたブランドです。創立は2004年、東京を拠点に活動しており、当店から近いところにアトリエがあるので、毎回展示会がある際はそちらに出向いてるんですね。ブランド名の「KLASICA」は、“CLASSIC(クラシック)” をもじった造語で、「古典」を意味するクラシックを独自に解釈し、現代的なスタイルへと再構築する姿勢を表しています。

ミリタリー、ワーク、ヴィンテージといった古典的な衣服をベースに、モード的な再構築を行うのが特徴です。時代を超えて残る普遍性を持ちながら、決して懐古的にはならず現代的に昇華させております。天然素材を中心に、国内外から厳選したファブリックを採用。リネン、ウール、コットンといった伝統的な素材に加工や染色を施し、独特の風合いを引き出しています。経年変化も楽しめるのが魅力のひとつですね。

[KLASICA] (クラシカ) 25F-SH49-G40 Plain looks unbalance shirts
size / 4
color / Black
cotton 100%
着丈 : 85.5
肩幅 : 53
身幅 : 68
袖丈 : 64.5
color / Black
cotton 100%
着丈 : 85.5
肩幅 : 53
身幅 : 68
袖丈 : 64.5

そんなKLASICAのシャツは毎シーズン定番的に展開されていて、ファンからも根強い人気を誇っております。一見するとごくシンプルですが、レギュラーフィットのパターンにオーバーサイズのネックを組み合わせることで、まるでメンズのクラシックシャツを女性の身体に纏わせたような、新鮮でモダンな印象を与えるのがこちらのシャツ。このニュアンスについては今季KLASICAが提案する新たな試みのうちの一つのようです。デザイナーの河村氏は毎シーズンプロダクトを展開していく上で実験的なものづくりをされております。ほん乙に洋服がお好きなんだろうなというのが伝わってくる。語弊がないように伝わってほしいのですが、本質的な意味の『服オタク』が生み出すプロダクト集って感じがして、とてもワクワクさせてくれます。

一見表面上はプレーンでミニマルな佇まいをしていますが、実際には随所に仕掛けが施された独自のバランス感覚が光ります。シャツとしての普遍性を残しながらも、前後の丈感やパターンにわずかなアンバランスを加えることで、シンプルな日常着にアートのような奥行きを与えています。

生地にはハリと落ち感を兼ね備えた上質なコットンを用い、肌に触れたときの感触はさらりと軽やかです。ドレスシャツほど堅くならず、カジュアルシャツほど崩れない、その中間に位置する独特の雰囲気が漂います。細部に目を向ければ、縫製やカッティングの妙によって立体的な陰影が生まれ、角度や動きによってシルエットが変化するのも魅力。

ヴィンテージからデザインやパターンの着想源を拾っているというのは、こういったところからも見受けられます。こちらのシャツの背面には、一つだけループがついていますが、これは古着を普段から着用される方は見たことがあるかもしれませんね。昔このループでハンガーやラックに引っ掛けていた時代の名残で残っているディテールなのですが、あえてこの部分を新しいものづくりに仰々しくない程度に取り入れることで、ブランド名の通りクラシカルな仕上がりを産んでおります。

個人的に、この河村さんがおっしゃっていた『メンズのクラシックシャツを女性の身体に纏わせたような、』という表現が、ご本人の見えている景色の解像度や世界観を投影しているようで大変素敵だなと思いました。それだけ日常的に多くの刺激を受けている、というよりは、刺激を見つけているのだろうなと。

[KLASICA] (クラシカ) 25F-SH39-G36 Over Sized Short Collar Shirts
size / 4
color / Black
cotton 100%
着丈 : 103
肩幅 : 56
身幅 : 73
袖丈 : 62
color / Black
cotton 100%
着丈 : 103
肩幅 : 56
身幅 : 73
袖丈 : 62

こちらのシャツの方が実はブランドとしてはオーソドックスなパターンなんですよね。コンパクトで端正な襟と、ワイドかつロングなシルエット。そのコントラストが引き立てる独自の美しさというのが、KLASICAのスタイルを象徴する、ベーシックでありながらも革新的な一着です。特徴的なロング丈のテールに、フロントに羽のように重なった身頃。今もまだ当時の空気が残っているような感覚に陥りますが、これを現行品で手に入れられるというのが、新鮮な空気感ですよね。

全体はゆったりとしたオーバーサイズのシルエットですが、襟を小さく抑えることで印象が引き締まり、ラフさと端正さが共存する美しいコントラストを描きます。これが例えば、いわゆる現代的なニュアンスの『オーバーサイズ』という奴だと、企画そのものが全てスケールアップしているので、襟もアームホールも何もかも広がってしまいます。それはそれでぶっちゃけ可愛いのですが、それだといわゆる現代的なんですよね。クラシカルではないんです。過去のデザインやディテールに敬意を表明しつつ、今必要なもの、今感じたいものをミックスさせるのがKLASICA流なので。
素材には適度な厚みと柔らかさを兼ね備えたファブリックを採用し、動きに合わせて軽やかなドレープが生まれるのが特徴。羽織るだけでニュアンスが出るため、一枚着としても十分存在感があります。加えて、ジャケットやコートのインナーに取り入れることで、襟元のコンパクトさが全体のスタイルをすっきりとまとめ上げたり、丈感でレイヤードを楽しむことができます。バランス感覚に優れたコーディネートを実現してくれますね。

このシャツが持つ「オーバーサイズ × ショートカラー」という構造的な矛盾こそが、クラシカの真骨頂。古典的な要素を踏まえながら、現代的な美意識で再解釈することで、どこにもない新しいシャツ像を提示しています。日常のスタイルに自然に溶け込みつつ、纏う人の感性を強く引き出す、まさにクラシカらしい逸品です。

「クラシック=時代を超える美しさ」を土台としながらも、その解釈を大胆に裏切るパターンやディテールを加えることで、着る人に新しい発見を与えてくれます。日常に溶け込みながら、纏う人の個性を引き出す稀有なブランドです。

いかがでしたでしょうか。やはりこのブランドについて語るときは楽しいもんです。なんだかんだクラシックなものが大好きだったりするので、KLASICAのものづくりに対するこだわりはみていても着ていても楽しいものなんですよね。ぜひ、少しでも興味が湧いた方がいらっしゃいましたら、店頭にて袖を通してみてください。このブランドは、ただデザインが良いだけではない良さがあります。
それでは今日はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました。
長岡
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